AIと著作権

上野 達弘 / 奥邨 弘司

2024年2月28日

勁草書房

3,300円(税込)

人文・思想・社会

高機能生成AIは著作権の夢をみるか? 世界各国の最新動向と我が国における議論状況を踏まえ、今後の法規制の在り方を検討する。 高機能生成AIの登場により、AIをめぐる著作権制度の在り方には、かつてないほど大きな注目が集まっている。権利者側からは法規制の見直しが叫ばれ、政府も各種対応に追われるなど、一種の社会的な混乱が生じているなかで、どこまでコンセンサスが得られ、どこから先に議論の余地があるのか、珠玉の論攷と座談会を通じて徹底分析。 Part I 序論 第1章 「AIと著作権」の過去・現在・未来[上野達弘]  1 AIとは  2 AIと著作権をめぐる諸論点  3 展望──生成AIブーム? Part II AIによる学習の侵害成否 第2章 日本法における権利制限──著作権法30条の4を中心に[愛知靖之]  1 はじめに  2 30条の4と旧47条の7との比較  3 享受目的を併有する情報解析?  4 30条の4柱書但書  5 おわりに 第3章 諸外国における情報解析規定と日本法[上野達弘]  1 英 国  2 欧州指令  3 スイス  4 シンガポール  5 検討 第4章 アメリカにおけるフェア・ユース該当性[奥邨弘司]  1 機械学習とフェア・ユース  2 フェア・ユースの概要  3 変容力のある利用  4 機械学習のフェア・ユース該当性の検討  5 関連する訴訟の概要と現状  6 補足 Part III AIによる生成の侵害成否 第5章 依拠・類似[奧邨弘司]  1 依拠が問題となる状況  2 依拠に関する従来の議論  3 依拠に関する検討  4 類似について 第6章 行為主体と準拠法[横山久芳]  1 はじめに  2 行為主体  3 準拠法 Part IV AI生成物の著作権保護 第7章 AI生成物の著作物性[前田健]  1 はじめに  2 著作物性の判断基準  3 AI生成物が著作物と認められる場合  4 AI生成物の著作者  5 立法論──AI生成物保護の将来  6 おわりに 第8章 イギリスの著作権法におけるコンピュータ生成物の保護[今村哲也]  1 はじめに  2 創作者主義の原則に対する特殊な状況  3 コンピュータ生成著作物の保護内容  4 Nova Productions Ltd v Mazooma Games Ltd事件  5 学説の状況  6 知的財産庁のコンサルテーション(2021年)  7 類似の制度を有する法域  8 おわりに Part V 座談会 参加者(※五十音順)[今村哲也・上野達弘・愛知靖之・奥邨弘司・谷川和幸・前田健・横山久芳] 1 AIによる学習の侵害成否  30条の4第2号にいう「情報解析」と非享受利用  30条の4柱書但書  ライセンスビジネスを展開している場合  47条の5の適用可能性  情報解析を禁じる契約の有効性  30条の4改正の余地,立法論など 2 AIによる生成の侵害成否  依拠性  類似性  レコードの情報解析  行為主体  適用地・行為地 3 AI生成物の著作権保護  解釈論  立法論 事項索引

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