女子のたしなみと日本近代

音楽文化にみる「趣味」の受容

歌川 光一

2019年3月23日

勁草書房

3,740円(税込)

人文・思想・社会

近代日本において、音楽はいかに趣味/たしなみとして、女子に受容されていったのか。当時のジェンダー規範との関わりから分析する。 明治後期から大正期、「家庭」概念の登場・普及と軌を一にして、箏や三味線、ピアノ等の音楽は「趣味」としていかに女子に受容されたのか。史料から言説の変遷を検討しつつ、社会のジェンダー規範との交錯により、「趣味」の和洋折衷化と結婚準備としての修養化が進行し、花嫁修業イメージの原型が成立していったことを解明する。 はしがき 序論 女子の稽古文化をめぐる連続・非連続  一 近代日本における「趣味」の受容とジェンダー化  二 花嫁修業というイメージ  三 本書の問いと構成 第一章 稽古からたしなみへ  一 女子の稽古文化の歴史をめぐって  二 「たしなみ」への着目  三 研究対象としての音楽のたしなみ  四 本書における「女子」と「音楽」をめぐる諸条件 第二章 家庭婦人の心がけとしての音楽のたしなみ  一 資料  二 家庭音楽論の展開と音楽のたしなみ  三 音楽のたしなみの再発見と家庭音楽論の邦楽への浸透 第三章 女子の心がけとしての音楽のたしなみ  一 「令嬢」と「少女」  二 家の娘としてのたしなみ──「令嬢」を中心に  三 「少女」としてのたしなみ  四 結婚準備としてホビーを増やす令嬢/洋楽への憧れを温存する少女 第四章 なぜたしなむ程度に留めるのか──女子職業論を参照に  一 資料  二 職業案内書にみる  三 婦人雑誌にみる  四 「たしなむ程度」に抑制された楽器習得 第五章 行儀作法としての音楽のたしなみ  一 資料  二 礼法書にみる  三 西洋化が模索され続けた音楽のたしなみの披露 第六章 花嫁修業というイメージ──「趣味」の和洋折衷化と結婚準備のための修養化  一 女子のたしなみが遭遇した「趣味」  二 今後の課題 補 論 昭和戦前期の「令嬢」のたしなみ──『婦人画報』にみる「花嫁修業」と日本趣味  一 『芳紀集』にみる  二 「令嬢」関連記事にみる「日本趣味」  三 伝統芸術のたしなみを強調した花嫁修業像とそのアンビヴァレントなニュアンス あとがき 参考文献 事項索引 人名索引 初出一覧

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