下流老人と幸福老人
資産がなくても幸福な人資産があっても不幸な人
光文社新書
三浦展
2016年3月17日
光文社
814円(税込)
人文・思想・社会 / 新書
『下流社会』刊行から11年。現在の日本の下流社会的状況の中から65歳以上の高齢者(シニア)の下流化の状況を分析するとともに、お金はないが幸福な老人になる条件は何かを考える。『投資家が「お金」よりも大切にしていること』の藤野英人氏へのインタビューを収録。
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(無題)
下流という言葉が我が国に定着してから、上流の意味に変質が起きたように思う。貧困を下流に置き換えることによって、上流が保有する金融資産の多寡によってのみ決定付けられるような風潮が生まれた。そこには、ヨーロッパ的なノブレス・オブリージュの精神は微塵も感じられない。階級が存在しないアメリカでだってボランティアや企業の社会的責任は、盛んに議論されるというのに。日本人の劣化を見る思いがする。その意味では、「下流社会」の生みの親である著者の責任は大きいと言わざるをえない。 幸せでありたい。これは、誰にとっても共通の願いである。ただ、幸せの中味ということになると人様々で、こうなれば幸せとは一概に言い切れないところが難しい。しかし、幸せであるためには、誰もが共通して取り上げる条件にお金がある。消費社会に生きる我々にとって、欲しい物やサービス、快適さを手に入れることができるお金は必要だ。では、そのお金はいくらぐらいか、ということになると、これもその人のライフスタイルによって様々である。ただ、幸せを実現する手段に過ぎないお金に対する行き過ぎた執着や強欲さ、反対に将来に対する不安から慎ましい生活が身につきすぎて、お金の使い方や遊び方を忘れてしまうのも、わびしいものだ。お金の多寡に関わらずに幸せを実感できるライフスタイルの確立が望まれる。 本書は、三菱総合研究所による最新のシニア調査やカルチャースタディーズ研究所によるアンケート調査の結果を元に高齢者の経済状況やライフスタイルを分析したものである。その上で、老後の幸せの実現の仕方を読者に考えさせたり、社会や地域でより多くの老人に幸せを実感できるトライアルを紹介している。
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