春宵十話

光文社文庫

岡潔

2006年10月12日

光文社

682円(税込)

小説・エッセイ

数学は論理的な学問である、と私たちは感じている。然るに、著者は、大切なのは情緒であると言う。人の中心は情緒だから、それを健全に育てなければ数学もわからないのだ、と。さらに、情操を深めるために、人の成熟は遅ければ遅いほどよい、とも。幼児からの受験勉強、学級崩壊など昨今の教育問題にも本質的に応える普遍性。大数学者の人間論、待望の復刊。

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書店員レビュー(1)
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長江貴士

書店員

岡潔「春宵十話」

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2019年12月14日

みんなのレビュー (2)

三日月ロック

随筆だが難解

starstarstar 3.0 2021年11月23日

知的レベルが一定以上離れてしまうと相手の言っていることを理解できないという話を聞いたことがあるが、この本を読んでいてなるほど確かに…と納得した。 人の中心は情緒だという帯に共感して読み進めたが、内容は人間論であるものの切り取り方が独特で全体として3〜4割しか理解できていないように思う。

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ケムケム

教育について書かれた本でした

starstarstar 3.0 2020年08月14日

筆者自身は、「情緒」の定義をしないまま文章を書いているので、ぼんやりとわかりにくい部分もあった。 巻末の解説で、岡潔のいう「情緒」とは、「自然が人間にさしだしてくれるもの」を、上手に受け取るための心の構えだと書いている。 終始、上から目線で物事を断じているところ、特に、女性に関して書かれているところは失笑。旧態然としたオジさんの論調でしかない。 ただし、現代でも通じることも多く書かれており、 「年長者を大事にしろというしつけをしていると、将来困ることが起きるかもしれない。」 「数学に近いのは百姓。理論物理学者は指物師。原爆を作るなど、指物師にしかできまい。」 「何よりいけないことは、欠点を探して否定する事をもって否定と呼び、見る自分とみられる自分がまだ一つになっている子供たちにこの批判をさせることである。」 筆者は国の行方を大変心配しているが、日本はなんとか生き延びています。

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