千の謎から

妻の死を願う夫とその愛人の殺意が交錯し、それが思わぬ悲劇を呼ぶ「不運な旅館」。過失致死事件の陰に潜む、もうひとつの意外な真相を描いた「冷えた茶」。新幹線の車内呼び出しを使ったトリックが光る「お連れの方」-。半世紀を超える作家生活で、千二百編に及ぶ短編ミステリーを紡ぎ出してきた名匠が、自ら選んだ珠玉の十編。