白痴 3

ドストエフスキー / 亀山郁夫

2018年1月11日

光文社

968円(税込)

小説・エッセイ / 文庫

聖なる愚者ムイシキン公爵と友人ロゴージン、美女ナスターシャ、美少女アグラーヤ。はたして誰が誰を本当に愛しているのか?謎に満ちた複雑な恋愛模様は形を変えはじめ、やがてアグラーヤからの1通の手紙が公爵の心を揺り動かす。「イッポリートの告白」を含む物語の中核部分、登場。

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Readeeユーザー

(無題)

-- 2018年09月13日

講座は大変面白かった。 ナスターシャは元から私の愛するキャラクターであったので、聖母マリアを重ね合わせた説に(当然だけれどムイシュキンはキリスト)深く納得した。ナスターシャは身も心も高級娼婦などでは全くないと私も思っていた。 私の元来の読みはメロドラマティックで、どれほど魅力的な異性(アグラーヤ)が現れても宿命的な相手とはキリスト公爵を持ってしてもそういった感情からは自由になれないと思っていた。 ナスターシャは聖母、アグラーヤはギリシャ異端の美神でありラストはドストエフスキーの嫌いなカトリックに入信することで作者を裏切っているという話や、ラフアェロの絵画との相関性もよくわかった。(ロゴージン、ナスターシャ、ムイシュキン) イッポリートも興味深い。切なく早すぎる死。自らの意思だけで終始一貫することが可能な行為は自殺だけである=悪霊のキリーロフに似ている。 ムイシュキンが聖地愚を装っているようにイッポリートは感じたのだろうか? ムイシュキン公爵に欺瞞や偽善を感じ、唯物論者とまで指摘している。 が、内心それは愛情の裏返しであり通底しているものを感じていたという先生の説に共感した。 死の床でナスターシャはオリョールへ行きたいと語った。 結局去勢派を目指したのか、鞭身派を目指したのか、、、先生の答えを聞けなかった。 が、私はボヴァリー夫人を彼女が読んでいたあたりから、自殺行為に自らの浄化を求める去勢派の世界を夢見ていたのだろうと推察している。 最後に 主人公ムイシュキンは聖なるキリストの役割を担うが実際は相当なcomplexityを内包している。唯物論者との指摘も肯定している上、 人間観察に優れ、猜疑心も深い。 現世に適応できなかった結末は希望が無い。 それでもやはり私はスイスの思い出、令嬢家族やコーリャ少年たちとの不器用なやりとり、金銭への執着の無さ等のエピソードを通じ、やはりこの主人公は限りなく神に近い場所にいた人であったという印象を持った。

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