
猫の傀儡
西條奈加
2017年5月16日
光文社
1,540円(税込)
小説・エッセイ
猫町に暮らす野良猫のミスジは、憧れていた順松の後を継いで傀儡師となった。さっそく、履物屋の飼い猫・キジから、花盗人の疑いを晴らしてほしいと訴えられる。銅物屋の隠居が丹精していた朝顔の鉢がいくつも割られるという事件が起こり、たまたま通りがかったためにその犯人扱いをされているという。人が絡んでいるとなれば、人を絡めないと始末のしようがない。ミスジは傀儡である狂言作者の阿次郎を連れ出すことにしたーー。
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(無題)
日本文化は世界に類を見ない独特なものがある。伝統芸能の文楽や能・狂言、歌舞伎のルーツを探れば9世紀平安時代の傀儡師にまで遡るのである。木偶と呼ばれる木の人形を自在に操るから傀儡師なのである。彼らは一箇所に定住しない流浪の民である。日本人は稲作を中心とした農耕民族である、との教育を受けた私たちには、この日本列島にそんな異質な人々がいたなんて、驚き以外のなにものでもない。定住を嫌う人々は世界中にいるようだ。ヨーロッパではロマ。ハンガリアン舞曲が彼らの影響を受けているのは明らかだし、スペインのフラメンコに至ってはロマそのものである。 横道に逸れてしまった。本編である。猫の傀儡師があたかも木偶を扱うように、人を自在に操って猫のために働かせる。 それが本編の主題だ。それにしても、小説家という人種は、よくもこんな突拍子もない事を思いつく物だと感心する。まー、突拍子もない設定だから、面白いとも言えるのである。猫好きには良いかもしれない。
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