「探偵小説」の考古学
セレンディップの三人の王子たちからシャーロック・ホームズまで
レジス・メサック / 石橋正孝 / 池田潤 / 佐々木匠 / 白鳥光 / 槙野佳奈子
2021年7月16日
国書刊行会
9,680円(税込)
人文・思想・社会
近代性そのものとも言うべき「探偵小説」は、どこに起源を持ち、どのような紆余曲折を経て、ジャンルとしての結晶を見るに至ったのか? 古代に始まる膨大な文献を博捜し、通常の推理小説論では見られないような人名をも援用しつつ描かれる、その成り立ちの歴史。江戸川乱歩が熱いまなざしをそそぎ、ヴァルター・ベンヤミンが激しい関心を向けその『パサージュ論』で引用を繰り返した伝説的大著。 ■江戸川乱歩 この最後のもの〔フォスカ著『探偵小説の歴史と技巧』〕は訳書のゲラ刷りを一読して序文を書いた関係から、私はそこに屢々引用されている同じフランスのレジ・メサックの大著「科学思想の影響と探偵小説」に興味を感じ、フランス語が読めもしないのに、当時もう戦争のために輸入がむずかしくなっていたのを、アテネ・フランセを通じてやっと同書を取寄せて貰ったことを思出す。この本は大判七百頁余の大冊で探偵文学の歴史をギリシア、ローマの昔より説き起して最近の諸傾向に及び、博引旁証、その視野の広さ、その態度の学究的真摯、その量の厖大遙かに類書を抜くものであった。 [目次より] 第一部 フィラーサの秘法 第一章 セレンディップの王子たちの旅と冒険 第二章 アテナイへの道の途中 第三章 アルキメデスの冠 第四章 奇跡と現実 第五章 奇跡と文学 第六章 明敏な王子たちの帰還 第二部 幽霊と盗賊 第一章 密偵たちの章 第二章 ボーマルシェの陽気な話 第三章 見霊者 第四章 ユードルフォの謎 第五章 ケイレブ・ウィリアムズ 第六章 ヴィーラントから『ウィーランド』へ 第三部 観相学的な旅 第一章 照応 第二章 開拓者たち 第三章 暗黒事件 第四章 徒刑場のフィガロ 第五章 ヴィドックとヴォートラン 第四部 モルグ街の謎 第一章 ブラックウッド誌風の作品の書き方 第二章 ケイレブ・ウィリアムズの遺産 第三章 自然魔術 第四章 デュパンからカンパネッラまで 第五部 現代の千夜一夜物語 第一章 次号に続く 第二章 悪の道の辿りつく先 第三章 パリのモヒカン族 第四章 ヴォートランの継承者たち 第五章 ロカンボールの武勇 第六章 ルコック氏 第六部 シャーロック・ホームズとニック・カーター 第一章 「ニューゲート・ノヴェル」 第二章 ニック・カーターの(幾度もの)死 第三章 シャーロック・ホームズの演繹 第四章 ロカンボール最後の変身
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