
黄昏映画館
わが日本映画誌
上野昂志
2022年6月22日
国書刊行会
7,700円(税込)
エンタメ・ゲーム
50年にわたる日本映画論を集成。練達の案内人(チチェローネ)が誘う異貌の映画史! 映画評論家上野昴志による50年分の日本映画論を集成。鈴木清順、大島渚、吉田喜重、加藤泰、黒木和雄、川島雄三、山田洋次、北野武、阪本順治などの作品評論を監督別に収録、異貌の映画史を形作る。 蓮實重彦、山根貞男、山田宏一各氏推薦! 〈外国映画も存分に見ている上野昴志は、伊藤大輔から鈴木清順を介して濱口竜介まで、一世紀を超えんとする日本映画を語ることにもっぱら集中し、主張よりも描くことに徹しているさまは、本人にその意識があろうとなかろうと、ひたすら優雅である。不意に視界に浮上したその「優雅さ」の歴史的な意味を噛みしめよ。試されているのは、われわれ読者なのだから。〉蓮實重彦 〈上野昴志は声高には話さない。ぼそぼそと独り言のように語る。そこで気楽に聴いていると、どきりとする瞬間がある。映画についての文章も同じで、軽口めく調子で始まることが多いが、ギラリと批評の刃が飛び出す。なぜそうなるのだろう。見たという体験にこだわり、考え、言葉を紡ぎ、映画を発見しつづけるからにちがいない。本書はその動態のドキュメントである。〉山根貞男 〈誰もが映画ファンとして映画評論家にはなれるとしても、それはただ、つくられた映画、出来上がった作品を見て、たのしみ、語り、書き、分析をしたりケチをつけたりするだけで、映画の製作に直接かかわることはできないのだが、上野昴志さんは、なんと、映画のプロデューサーになったことがある稀有な評論家だ。それも吉田喜重監督の傑作の一本で私にとっては『秋津温泉』とともに最も忘れがたい吉田喜重作品であり三國連太郎主演の代表作の一本でもある『戒厳令』のプロデューサーである。 映画ファンにとっては、なんといっても、映画がいかにしてつくられるかという、つまりは映画づくりの秘密そのものが最も知りたいところで、といっても、製作現場をとりしきる強面のお偉方には容易には近づきがたく、たまたま上野さんとは友だち付き合いをしていたので、さっそく私はプロデューサー・上野昴志にインタビューを申し込んだ。ささやかなわが映画インタビュー体験においても出色の(などと自ら誇るのもおこがましいけれども)興味深い映画トークになったことは言うまでもない。 評論家・上野昂志の著作はいろいろ出版されていたが、なぜか映画の本だけがまとまって出ておらず、私は雑誌や新聞などで断片的・断続的にしか読めなかった上野さんの書いた映画についての文章を、全部とはいかなかったが、僭越ながら一冊の本(「映画=反英雄たちの夢」)に編集したことがあった。力不足で思ったとおりの本ができずに悔やんでも悔やみきれずにいたところ、うれしいことにその大半が今回の上野昴志日本映画論集成にはあらためて収録されて、あれやこれや、事程左様に、新聞雑誌に氾濫するいやしいつまみ食い時評とは一線を画した妙味あふれる異色の辛口批評の大冊、ついにお目見えである。〉山田宏一
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