
血統書
パトリック・モディアノ / 松崎之貞
2025年4月18日
国書刊行会
2,640円(税込)
ーーわたしは血統書をもっているようなふりをする一匹の犬なのだーー ノーベル文学賞を受賞したモディアノ自身による文学的自伝。 「わたしはこれらのページを調書や履歴書を書くようにして記している。つまり資料として、また、まちがいなくわたしのものではなかったひとつの人生にケリをつけるために」 本書はドイツ占領下のパリでの父母の出会いにはじまり、モディアノ自身が生まれ(1945年)、次いで弟が生まれ(1947年)、その弟を病気で亡くし(モディアノ11歳、弟9歳)、両親に放り出された孤独を生きながら、作家として立つ22歳までの日々を綴っている。 ドイツ占領下のパリでナチスやフランス当局の「ユダヤ人狩り」を逃れながらも闇市に暗躍した父親の怪しげな行動、子供を放り出して舞台や巡業あるいは遊びに飛び回る母親に触れながら、《わたしが生まれてきたのが腐植土ーーないし堆肥ーーからだったとしても、どうしようもないのだ》と記す。 モディアノ文学の根源を指し示す書にして、混乱の時代の貴重なる証言。 【目次】 ・わたしは1945年7月30日、ブーローニュ=ビヤンクールのマルグリット通り11番地で生まれた ・1945年8月2日、父は自転車でブーローニュ=ビヤンクールの市役所にわたしの出生の届け出に行く ・両親は明らかに、わたしをパリから遠ざけたがっていた ・9月、わたしはパリで、両親がほんの数百メートル先のところに住んでいるというのに寄宿生として「アンリ四世校」の哲学級に入学する ・1963年。1964年。ふたつの年は混じり合っている 訳者あとがき パトリック・モディアノ略年譜 人名索引 ・わたしは1945年7月30日、ブーローニュ=ビヤンクールのマルグリット通り11番地で生まれた ・1945年8月2日、父は自転車でブーローニュ=ビヤンクールの市役所にわたしの出生の届け出に行く ・両親は明らかに、わたしをパリから遠ざけたがっていた ・9月、わたしはパリで、両親がほんの数百メートル先のところに住んでいるというのに寄宿生として「アンリ四世校」の哲学級に入学する ・1963年。1964年。ふたつの年は混じり合っている 訳者あとがき パトリック・モディアノ略年譜 人名索引
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