吉原手引草
松井今朝子
2007年3月31日
幻冬舎
1,760円(税込)
小説・エッセイ
なぜ、吉原一を誇った花魁葛城は、忽然と姿を消したのか?遣手、幇間、楼主、女衒、お大尽ー吉原に生きる魑魅魍魎の口から語られる、廓の表と裏。やがて隠されていた真実が、葛城の決意と悲しみが、徐々に明らかになっていく…。誰の言葉が真実なのか。失踪事件の謎を追いながら、嘘と真が渦巻く吉原を見事に紡ぎあげた、次代を担う俊英の傑作。
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(無題)
実によくできた小説である。花魁・葛城の失踪の謎を追って、聞き込み捜査を進めていくのであるが、その相手は当然の如く妓楼関係者である。妓楼の忘八から牛太郎、やり手ババァに引手茶屋の女将、総勢18人から聞き込みをする中で、吉原という遊郭がどんな仕組みで運営されているのか、あるいは男どもはそこに何を求めて群がるのか、遊女の日常はどうなのか、等々、読み進めるうちに吉原の全体像が見えて来る趣向である。 さて、本筋の事件であるが、読み進めて行っても「例の騒ぎ」とその内容がぼやかされていて、花魁の葛城の身に何が起きたのかさえ読者には知らされない。その点ではミステリー仕立てである。やがて「身請けが決まっていた吉原一の花魁が神隠しにあったように消えてしまった」ことが分かるのである。ところが不思議なのは、吉原が葛城を追いかけた形跡がないところである。吉原にあって女郎の足抜けは第一の重罪で、半殺しにされかねないのにである。その訳を今ここで明かすのは、ミステリーの種明かしにあるので避けるが、「なるほど」と誰もが納得するものであった。
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