自分なくしの旅

みうらじゅん

2009年12月31日

幻冬舎

1,650円(税込)

小説・エッセイ

美大合格を目指し、京都から上京した浪人生の乾純。親戚の家に居候し、美術予備校へと通う純の前に“東てる美”に似た美奈が現れた。外車を乗り回し、銀座の高級料理店へも平気で足を運ぶ美奈。自分とは住む世界が違う彼女に戸惑いつつも、いつしか恋に落ちていく純は、ついに童貞を捨てることに成功する。そして、キュートな美奈とのセックスに益々のめり込むが、やがてなにもかもが混乱のるつぼと化していく。親の愛情は重くのしかかり、友人たちとは距離が広がり、苦悩は深まる…。自分を見失ったその果てに、はたして何があるのか!?『アイデン&ティティ』(2003年映画化)と『色即ぜねれいしょん』(2009年映画化)の間を埋める、著者渾身の自伝的青春小説。

本棚に登録&レビュー

みんなの評価(2

starstar
star
2.6

読みたい

0

未読

1

読書中

0

既読

6

未指定

5

書店員レビュー(0)
書店員レビュー一覧

みんなのレビュー (1)

Readeeユーザー

(無題)

starstar
star
2.6 2018年01月29日

浪人生時代が描かれた作者の自伝的な青春小説。ダメ浪人生の心理が見事に描かれている。いや、それどころか、読んでいて40数年前の私自身の浪人時代が身体の中から蘇ってきた。自堕落な生活と持て余してどうにもならない性欲。私の浪人時代はそうだった。今の草食系男子には、理解できないだろう、肉体が発するエネルギーだ。 京都から、東京の美大目指しての、東京での2年の浪人生活。 子供でもない、大人でもない時期、誰もが経験する恋愛のようなもの。どんな時も、自分を全肯定してくれるオカン。いつもいつも心配して、好きなようにさせてくれて見守ってくれるオカン。 人生の道草を食いながら大切な何かを見つける、そんなことだってあるさ。それは「本当の自分」なんかじゃなくって、愛なんだな。自分をとことん無くしていったときに、本当に大切な愛が見えるんだろう。 そんなことを物語っている作品なんだろうと想う。 もう少し説明すると、「自分探しの旅」が西欧近代文明の原点である自己の確立であるのに対して「自分なくしの旅」は無私、つまり東洋の仏教的認識を大事にしようよ、というのが著者のメッセージではないかな。

全部を表示
Google Play で手に入れよう
Google Play で手に入れよう
キーワードは1文字以上で検索してください