それを愛とは呼ばず

桜木紫乃

2015年3月31日

幻冬舎

1,540円(税込)

小説・エッセイ

妻を失い、仕事を奪われ、故郷を追われた54歳の経営者。夢を失い、東京に敗れた29歳のタレント。そしてふたりは、出会ってしまった。狂気を孕んでゆく女の純粋は、男を搦めとり、その果てにー。想像の範疇をはるかに超えるこのラストを、あなたは受け止められるか?桜木紫乃、最高傑作。

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ひさだかおり

書店員@精文館書店中島新町店

(無題)

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0
2020年01月16日

みんなのレビュー (1)

Readeeユーザー

(無題)

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4.4 2018年02月10日

それを愛とは呼ばない、と断言したのは検事であった。紗希が愛した人に幸せであってもらいたいと願って行動した結果であった。人を愛した経験がない紗希が自ら信じる愛を貫いた結果が犯罪であるとは、あまりに哀しい。いや、紗希にとってはかなしい(愛しい)のである。「いとしい」も「かなしい」もともに愛しいと書く。人の感情が綾なす不思議さだ。 桜木紫乃が描くオンナの心の中には、荒涼とした北の大地に似た風が吹きすさぶ。炭鉱と漁業で栄えた釧路の繁栄を今の街並みから知るヨスガは何もない。時代から取り残された境遇を静かに受け入れる。決して欲望を満たそうとジタバタしたりしない。貧乏臭いまま、ひっそりと生き続けるのだ。紗希は美少女コンテストで準優勝して、東京でタレント活動をする娘だから、これまでのオンナとは違うように映るが、心の中はなんら変わるところがない。 そして、本作で興味深いのは、そんなオンナと同類のオトコが登場することだ。オンナの心象風景を育んだのが根釧原野であるのに対して、流れに逆らわず流れのままに生きるオトコは「杉と男は育たない」と言われる新潟平野を肥やしとして育った。 そんな二人が巡り会い、やがて惹かれ合うのは自然の成り行きだ。哀しい、愛しい物語である。

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