神様のコドモ

・ショートショートストーリーで神様の子どもが天界から眺める視点のお話だけかと思いましたが、下界（人間界）の視点もあり、いろんな視点があるためどんな話が次来るのかと楽しみながら読めた。戦慄する話や感動する話など様々なお話がありました。しかし、あまりにも１つのお話が短すぎるあまり読み応えはなかったです。小説を読むのが苦手な人は、ショートショートですぐに読めるため手を出しやすいのかなと思いました。 ・「アカン糸、アント、仮面、剣と盾、水風船、鬼退治、タンポポ特急メモリー号」の作品が心に残りました。 <心に残った文章> ・人間は遊びのつもりだろうが我々にとったら戦争だ。一切抵抗することのできない戦争。 ・人間にとったら何歩くらい先だろうか。全然大したことないんだろうな。しかし我々にとってはまだまだ遠い。 ・仮面をつけると弱い自分を忘れて自信がつく。顔なんてなければいいいいんだ。 ・剣と盾。対照的な武具である。檻の中に閉じ込められている彼の心は無である。つまり善も悪もない。彼が悪魔になるからそれとも救世主になるか、それは人間次第である。 ・タンポポが描かれたシワシワの1万円札。たくさんの人たちと出会い、たくさんの物語を見てきたんだろうねえ、とフサ子は思った。「おかえり」。日本中を旅してきたと思われるシワだらけの福沢諭吉を労うように言った。 ・たった一度しか下車できない。過去に戻っても二十四時間しかないというのに、そんな貴重な時間を道重幸子に使うなんてそれこそ不幸だ。道夫は幸せだった頃に戻りたいと思った。もう一度妻の笑顔を見たい。

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