ついに、来た?
群ようこ
2017年2月28日
幻冬舎
1,540円(税込)
小説・エッセイ
父の死後、年下の男に奔ったサチの母。70歳で男に捨てられ戻ってきたけど、どうも様子がおかしくて…。「母、出戻る?」避けては通れないシリアスなテーマを、ユーモアを交えて明るく綴る、全8編。
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(無題)
何が来たのかって?。そうそう、それが問題なのです。来たのはボケなんです。身近な家族にボケが来たのです。本書は認知症をテーマにした短編集なんです。 全8編が収録されていますが、認知症の症状の現れ方は実に様々です。本書にはいろいろなパターンの認知症が描かれています。一方、八編全てに共通するのが介護の担い手です。女性なんですね。かつては介護は、長男の嫁に一方的に押し付けられていたと言っても過言ではありませんでした。しかし、最近は家族のありようが大きく様変わりして、息子が親の介護をしたり老々介護がごく日常的になっていますね。本書には、それらの視点が欠けているのが気になるところです。それでも認知症の母親と同居する私にとって身につまされるところが多々ある作品です。
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