
アリアドネの声
井上 真偽
2023年6月21日
幻冬舎
1,760円(税込)
小説・エッセイ
巨大地震発生。地下に取り残された女性は、目が見えず、耳も聞こえない。光も音も届かない絶対的迷宮。生還不能まで6時間。想像の限界を超えるどんでん返し。救えるはずの事故で兄を亡くした青年・ハルオは、贖罪の気持ちから救助災害ドローンを製作するベンチャー企業に就職する。業務の一環で訪れた、障がい者支援都市「WANOKUNI」で、巨大地震に遭遇。ほとんどの人間が避難する中、一人の女性が地下の危険地帯に取り残されてしまう。それは「見えない、聞こえない、話せない」という三つの障がいを抱え、街のアイドル(象徴)して活動する中川博美だったーー。崩落と浸水で救助隊の侵入は不可能。およそ6時間後には安全地帯への経路も断たれてしまう。ハルオは一台のドローンを使って、目も耳も利かない中川をシェルターへ誘導するという前代未聞のミッションに挑む。
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途中
starstarstarstar 4.0 2024年09月07日
兄を失うという辛い話から始まる。この時点でマイナス1であり、今後誰かを救ってもプラマイゼロにしかならないかと思うとちょっと複雑。
でも兄の意思はつがれていく。僕らの世代では、諦めたらそこで試合終了ですよ、との思い。
皮肉なことに、地下都市の開発イベントで発生した災害で、障害者が逃げ遅れる。彼女を救うために用いることができるのは一基のドローン。ただ困ったことに彼女の障害は見ることも聞くことも話し事もできないというもの。
途中、実は彼女は少し目が見えているのではないかと疑いが持ち上がる。また、同級生の障害を抱えた妹も行方不明となるなど本筋から外れる話しも。あまりのノイズの多さとスムーズにいかない救助活動でちょっと読み手も滞る。対して長くもない小説での中だるみの多さに評価も下がってくる。
ただ、最後の最後に評価が覆る。
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ドローンは攻めてる
starstarstar 3.9 2024年05月04日
star
この本もXを見ていて気になって手に取った本です。表紙からわかるようにドローンが出てくるのですが、題材として自転車や車はよく出てきますが、ドローンは攻めたなっと思いました。ストーリーを作り上げるのには、どの程度時間がかかったか気になります。
身体障碍者の方が作中にはでてくるのですが、取り扱いが上手いと思いました。ちょっと私の表現では伝えられないのですが、一般的な味方というか偏見というか、そういったものと本来の姿の両者が対等に描けているのではないかと思いました。
ドローンという新しいアイテムを主軸に物語をいち早く構築することは難しいことだと思います。ドローンが世にでて時間が経ったとはいえ、まだまだ最新技術、ドローンの躍動感、難解さ、よく表現されていたと感じました。
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azukikaferate
これこそ映画化すべき!
災害時の緊迫感は、若干白々しいものがあるのがちょっと気になるところだけど。次々に危機的状況にどう対応するか?スピード感損なうことなく描かれてる。 ドローンについて、少しばかりでも知っておくと面白さ増しそうだ。 最終的な結末も、主人公の呪縛も綺麗に終わってて良かった!
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