
神の手(上)
幻冬舎文庫
久坂部羊
2012年5月31日
幻冬舎
754円(税込)
小説・エッセイ / 文庫
21歳の末期がん患者・古林章太郎の激痛を取り除くため外科医の白川は最後の手段として安楽死を選んだ。だが章太郎の母・康代はそれを告発した。殺人か過失致死か。状況は限りなく不利だったが謎の圧力で白川は不起訴に。背後に蠢く安楽死法制化の画策と世論誘導。マスコミを使って阻止を図る康代。白川は困惑しつつも激流に呑み込まれていく。
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(無題)
今回のテーマはどうやら、安楽死のようだ。古林章太郎は21歳で肛門がんの末期だった。付き添っていた伯母古林晶子は担当医師白川泰生に楽にさせてやって欲しいという願う。白川は苦悩の末、章太郎の安楽死に手を下したことから話は始まる。病院に白川が章太郎を安楽死させたという怪文書が届く。刑事事件として告発され、白川の行為は調べられる。最終的に白川はその事実を認め、検察に送られるが、ここで白川は不起訴となる。新見偵一は医療協会(JAMA)を立ち上げる。JAMAは日本の新しい医療秩序を実現、安楽死を適正な医療であると規定し、終末医療の現実的展開を一貫して追及、無駄な延命治療の中止、欺瞞性に依拠する独善的医療の淘汰など、「医療崩壊阻止の五提案」を掲げる。そして医師や医療の一元管理をする“医療庁”の立ち上げに奔走する。久坂部羊さんは、実に上手くなった。脱帽である。なにしろ、濡れ場まで描いちゃうんだから。上巻読了の感想だ。
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