明日この世を去るとしても、今日の花に水をあげなさい

幻冬舎文庫

樋野興夫

2017年4月11日

幻冬舎

550円(税込)

美容・暮らし・健康・料理 / 文庫

「たった2時間の命にも役割がある」「いい人生だったか、悪い人生だったかは、最後の5年間で決まる」「大切なものはゴミ箱にある」「病気になっても病人ではない」-どんなに辛い境遇でも、困った時でも「よい言葉」を持つことでいまよりずっと楽に生きられる。3千人以上のがん患者、家族に生きる希望を与えた「がん哲学外来」創始者の言葉の処方箋。

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(無題)

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2.4 2018年02月14日

現在の医療現場では、ガンの告知は家族の強い要望がない限り、驚くほど呆気なく本人に告げられる。多くの人にとってガンの告知は、自らの死を意識する瞬間でもある。ガンの告知及び余命宣言されたとき、人はどう反応するのだろうか。 アメリカの精神科医、エリザベス・キューブラー=ロスは、人は余命が限られていると知らされると、それを受け入れるまでに5つの段階を経るとはらの著書の中で述べている。第1段階は、ショックのあまり、事態を受け入れる事が困難な時期である。継いで第2段階は「どうして自分がそんな目にあうのか?」と、心に強い怒りが込み上げる時期である。そして第3段階が事態を打開しようと必死になる時期。第4段階は、事態が改善しない事を悟り、気持ちがひどく落ち込む時期である。そして第5段階で事態をついに受け入れるのである。死を受け入れるまでの経過は、個人個人でかなり異なるが、場合によっては、心的反応が病的になってしまう場合がある。がんになったことで生きる希望を失ったり、生きる意味が見出せなくなったりし、うつ的な状態に陥ってしまうのだ。そうした人たちは、患者の約3割にも上るという。このような気分障害を解消するには、薬物療法よりも認知行動療法など、思考そのものを前向きなものに変えるメソッドが効果的である。 このような患者ニーズに対応して順天堂大学で「がん哲学外来」を展開する著者は、言葉を武器に患者の救済に明け暮れる。ここでは医師と患者が対等の立場でがんについて語り合うのである。そのようなとき、本書で紹介している言葉の処方箋を書くのだそうだ。生きるとは何か。自分の使命とは何か。人間の根源に触れる問いかけである。 著者は生きる意味を失っているがん患者に生きる意味を教え諭す。生きる意味は使命を果たすためだと、著者はいう。どんな人にも生きる意味はあるのだと。だから、マルチン・ルターの言葉と伝えられる「たとえ明日世界が滅亡しようとも、今日私はリンゴの木を植える」をもじって本書の題名をつけたのだという。 本書を読んでいて、ふと素朴な疑問が生じた。著者はお金もかからないし、副作用もない、と胸を張る。しかし著者の活動は医療行為なのだろうか。大学病院で「がん哲学外来」の看板を掲げていれば、患者は当然医療行為だと思うはずだ。医師の職能として、ここまでする必要があるのであろうか。そんな疑問とともに、著者の言葉が何か借り物のような気がして、違和感を拭い去ることができなかった。生きることに意味を見出す事ができない当方としては、同じルソーの言葉でもこちらに共感を覚える。 「酒と女と歌を愛さぬ者は、生涯馬鹿で終わる」。

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