最貧困女子

著者は自身が行って来たルポライター活動を通じて得た経験と構想を社会的に認知させたいと巻末でブチ上げていたので、ライターを卒業し無所属でも可能なら議員選へ出馬し、政治家への道を歩むべきだと、この本を読み終えて思った。 オチを先に言うと、風俗や性的サービスに従事する男女を総括的に飲み込んだSEXワークと呼ばれる社会的なグレーゾーンをガラス張りにし、社会保障制度の下で正式な雇用形態で風俗業界の法人化を是正し、税収を徴収出来る仕組みに国が取り組むべきだとブチ上げていた。 そうする事で社会的な認知が広まり、経済的な事情や家庭的な事情から風俗業界で身を置き続けないといけない女性や少女達の後ろめたさもなくなり、貧困や社会や地域からの隔絶を無くす事に繋がると言うザックリした形で言うとそれが著者の掲げた構想の理由であり、今の日本の社会の仕組みと照らし合わせた結果出た答えであった。 そしてさらに衝撃的だったのは、SEX産業には知的障害・発達障害・精神障害を抱えていながら親に頼れず、知人に頼れず、社会に頼れない、まるで両手両足を縛られ目隠しをされて歩かされている様な女性達が、生きて行くために体を売り、その日暮らしの日銭を得ているケースもあれば、アイドルや芸能人の卵と呼ばれる女の子達以上に、筋トレ、美容トレーニングを行い、自己投資してストイックに美しさを極めた上で、男に求められる事で女としての価値を見出すために風俗をやっているというクレバーな女性のケース、この２種類に分かれると言う点に衝撃を受けた。 総体的な意味でSEX産業に従事する女性に綺麗で可愛い子が増え、どんどん肥大化していく理由の大半が「女を極めたい」と言う層と容姿は美しくなく、精神的な障害者を持つ女性達の層、この２種類の女性達で性産業に需要を求める男共のパイを奪い合うと言う新しい局面を迎えて来ていると言う時代の変化に衝撃を受けた。

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