語り継ぐ在日の歴史

分断と差別・迫害に抗して

白 宗元

2015年7月10日

三一書房

2,420円(税込)

人文・思想・社会

在日朝鮮人の歴史は多難であったばかりでなく複雑でもありました。そのときの歴史の現場にいた世代とそうでない世代とのあいだに、いろいろと認識の差が生まれるのはある意味ではやむをえないことです。時代の背景が異なり、事物にたいする世代間の感覚や価値観も違ってくるからです。しかし私は複雑で多難な歴史を体験していない若い世代に語り継ぐべきことを語り、変わらないもの、変えてはならないものがなんであるかを伝えていくのは一世のなすべき義務だと思います。 序 章 民族受難の日々 在日朝鮮人運動の基礎を築いた一世 祖国統一の黎明に向かって 「戦争をする国」に変貌する日本 歴史の小舟 アメリカの戦争挑発と日本の加担 厳しい試練 危機の在日朝鮮人運動 祖国からの教育援助費 民族教育の高揚 ピョンヤン宣言と朝・日国交正常化 第一章 八月一五日の前後 鳳仙花の歌 大阪憲兵隊本部 解放の日 朝鮮人聯盟の結成 国語講習会 解放軍でなかった米軍 単独選挙、単独政府樹立の強行 留学生の困窮と同盟の組織 国平寺と柳宗黙禅師 米ソ共同委員会の決裂 消えた統一の夢 四・二四教育闘争 第二章 急変する祖国情勢 北朝鮮における民主改革 朝鮮民主主義人民共和国の創建 米軍占領下の南朝鮮 民衆の抗争 済州島「四・三事件」 親米反共独裁者 李承晩 切実に求められた祖国の情報 第三章 路線転換と歴史的な朝鮮総聯の結成 事大主義・教条主義の誤りと路線転換 朝鮮総聯の結成 帰国事業と在日朝鮮人運動の高揚 第四章 朝鮮大学校 小平新校舎へ移転 日本高校卒新入生の国語習得運動 自力更生の校舎建設運動 大学校認可闘争 第五章 イギリス紀行 在日朝鮮蹴球団の米国遠征 ロンドンの国際学会 牧師とチュチェ思想を語る 老大国に忍びよる影 在日朝鮮蹴球団太平洋を渡る 「統一への道」フェスティバルに参加 ともに歌った「我らの願いは統一」 第六章 山口久太先生と朝・日スポーツ交流 スポーツ交流の先駆者 スポーツ代表団の訪朝 「赤い稲妻」旋風 日本体育大学チームとの体育交流 第七章 統一卓球チームの勝利と栄光 統一チーム実現の長い道程 統一チーム結成の合意なる 荻村伊智朗世界卓球連盟会長の尽力 夢の統一チーム来日 強豪中国を制し金メダルに輝く バルセルナ・オリンピックでめざましい活躍 シドニー・オリンピック、感動の南北合同入場行進 第八章 望郷の力道山 一世を風靡したヒーロー 断髪を決心 相撲界を去る 拳道会の姜昌秀先生との出会い プロレスブームと王者力道山 金日成主席への限りない感謝 悲劇の三八度線に立って 第九章 金剛山歌劇団と中国公演 一万キロメートルの中国公演へ 歌と踊りは同胞生活の一部 金剛山歌劇団はわれらの誇り 第十章 代を継いで 在日本朝鮮青年商工会 弾圧、同化と闘う世代交代 在日朝鮮人社会の変化 トンポ・トンネと民族学校 代を継ぐかなめの青年商工会 重要な自己存在証明の確認 青年商工会の全国組織へ 新しい活動方法 新しい作風 同胞を励ました埼玉フォーラム

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