「自分時間」を生きる

在日の女と家族と仕事

朴 和美

2020年4月22日

三一書房

2,530円(税込)

人文・思想・社会

◉金石範(作家)氏推薦◉ ジェンダーを超えた人間解放を、しなやかで水晶体のような文体で示してくれる衝撃の書である。 「在日」のなかの女の位置、男の家庭内暴力。 日本社会の「在日」差別と抑圧のメカニズム。 それらは近代の植民地支配、帝国主義(男性優位)と“入れ子”構造になっていると、著者はジェンダーの視点で問い詰める。 一世の在日の男たちは、民族や国民や国家といった「大きな物語」を紡ぎながら、日本社会における在日の状況を考察し、不当な扱いに声をあげ、果敢に闘うことで在日が生きていける場(共同体)を死守してきた。 そうした男たちの闘いには正当性があり、大勢の在日が勇気づけられてきた。 一世の女たちは、日本国家を相手に闘う男たちを、「銃後の妻」よろしく、家庭を守ることで支えてきた。だが時代につれて在日の社会も変わる。表層的ではあっても「民主主義」の薫陶を受けた二世・三世の女たちは、等身大の自分たちが登場しない「大きな物語」に疑問を抱くようになっていった。 男たちの「大きな物語」に映しだされる「女」たちは、男たちに都合よく捏造された幻想(ファンタジー)の「女」でしかないことにも気づきはじめる。男たちの壮大な物語には、女たちの存在と現実がありのままに描かれていないというなら、生身の女たちの日常を照らしだす「小さな物語」を、自らの手で紡いでいくしかないと思いはじめたのだ。(序章より) 序章: 1章:在日朝鮮人女一人会 ・怒ってくれてありがとうーーー 「あたりまえ」を問い直す ・女と家族と仕事 ・出産と参政権 2章:在日の母語と母国語 ・「国家語」の呪縛を超えてーー舌のもつれを解く 3章: 旅のつれづれに ・アラート・ベイへの旅ーー カナダ先住民の儀式「ポットラッチ」に参加して ・韓国済州島を訪ねて 4章:映画を巡る旅 ・「その後」のその後  ーー 映画『バックドロップ・クルディスタン』を観て ・物語るわたしたちーーStories We Tell ・終章:「自分時間」を生きる ・コラム:在日の女たち

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