
グロティウス
Century Books 人と思想 178
柳原正治
2000年10月31日
清水書院
935円(税込)
人文・思想・社会
「国際法の父」と称されるグロティウスは、戦争発生の防止、戦争中の悲惨さの軽減、そして戦争の連鎖の切断のための法的枠組みを作るという課題に正面から取り組んだ。その基本理念は、400年の年月を越えて、「戦争の世紀」である20世紀、さらに次の世紀において、われわれが直面する戦争と平和の問題を考察するにあたって、大きな指針となるはずである。本書では、第一部において、神童、祖国オランダの有力政治家、駐仏スウェーデン大使、キリスト教会の平和と再統合を目指した神学者、「学芸」のすべての分野で傑出した業績を残した巨匠、というさまざまの顔を持つ、かれの生涯を振り返る。そして第二部においては、海洋の自由、戦争と平和、近代自然法論と国際法論についての、かれの先駆的な業績を紹介し、「グロティウス的伝統」とは何かを分析する。
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