
公共宗教論から謎めいた他者論へ
磯前 順一
2022年10月18日
春秋社
4,950円(税込)
人文・思想・社会
東日本大震災後の公共と宗教の議論が見落としたのは、天皇制のような公私を包摂する法外な「謎めいた他者」の主体への影響である。村上春樹やオウム以降の宗教学、戦後民主主義を批評することで、公共空間を考察する。著者の宗教学に関する最後の日本語論集。 序 章 批評行為とは何かーー宗教概念論から公共宗教論、そして謎めいた他者論へ はじめに 一 宗教概念論の始まり 二 宗教概念あるいは宗教学の死 三 宗教概念論の展開(1)--世俗主義批判と情動論 四 宗教概念論の展開(2)--東アジア論 五 宗教的主体化論 六 他者論的転回 第一章 公共宗教論ーー天皇・国民・賤民 はじめにーー「宗教概念あるいは宗教学の死」の後で 一 公共性の禁忌 二 他者なき他者 三 剥き出しの生と公共性 四 主体性論から主体化論へ 五 神仏の声を聴く 六 傷ついた宗教 七 出没する幽霊たち 八 「弱さ/弱者」と「強さ/強者」 おわりにーー「信仰」 宗教を信じ切るとは 第二章 酒井直樹の翻訳論ーー謎めいた死者のまなざし、そしてざわめく声 一 翻訳論としての「死者のざわめき」 二 翻訳不能という事態 三 主体化過程としての翻訳論 四 謎めいた他者との転移論 五 不均質な複数性の公共空間 第三章 タラル・アサドの翻訳不能論ーーポストコロニアル研究の遺産 一 世俗主義による翻訳 二 アサドの初期翻訳論ーー人類学批判として 三 翻訳論におけるアサドの位置 第四章 出雲神話論ーー祀られざる神の行方 一 神話化する出雲と観光ブーム 二 近代神道を支える国譲り神話 三 鳥取県境港の水木しげるロードへ 四 祭主たる天皇の身体 第五章 村上春樹論ーー民主主義社会と隠された暴力 一 戦後日本における暴力と民主主義 二 『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』を読む 三 社会における排除と犠牲 四 闇との共存の仕方 おわりにーー他者の声を聴くとは? あとがき 世代を超える学問ーー遺志の継承 各論考情報一覧
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