若さま旅日記

春陽文庫

颯手達治

1991年12月31日

春陽堂書店

491円(税込)

小説・エッセイ / 文庫

東海道は小田原宿を前にした酒匂川の渡しで、歳のころ22、3の役者のような若侍、京の禁裏付き6千石の旗本の次男坊江田島金三郎に声をかけたのは、青雲の志を抱いて家を出てきたという沼津の郷士の3男坊白馬天平なる同じ歳ごろの男であった。知った者に顔を見られてはまずいという天平のために、金三郎は背負った信玄袋の中から百日鬘と髯を取り出して付けさせた。白馬天平は熊のような髯浪人に一変してしまった。同道することになった2人に、さらに江戸の茶問屋『駿河屋』の娘お茶穂と守役老女とら、老武士真瀬三太夫と若党万作らが同行することになった。小田原宿の旅篭に泊まった一行に、てんやわんやの大騒動が待ちうけていた。-白馬天平なる男の正体とは…。

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