気まぐれ奉行

春陽文庫

左近隆

1994年9月30日

春陽堂書店

555円(税込)

小説・エッセイ / 文庫

新シ橋の上で21、2歳の町娘風の女にからんでいる男に声をかけた若侍があった。男は昨夜、すぐそこの柳原土堤での約束に替玉を抱かされたと怒り、女は人違いだと言う。若侍は三両の小判で女を自由にしてやろうとし、男が匕首を揮ったのでやむなく追い払ったが、男の捨て科白に“大江戸無宿の素浪人、新シ橋夏太郎”と名乗った。だが、女はいわゆる“引き子”というやつで、七軒町の孔雀長屋に住む加代といい、病床の母親の薬餌を稼ぐためと聞いて、若侍は懐中の金子をすべて手渡してやった。翌日、孔雀長屋を訪ねた夏太郎だったが、住人にそういう女はいなかった。

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