若さま箱根裏街道

春陽文庫

左近隆

1996年7月31日

春陽堂書店

513円(税込)

小説・エッセイ / 文庫

右手に田子ノ浦、左手は絵のような富士が聳える吉原宿に程近い松並木にさしかかった時、紺青の空がみるみるかき曇って雨が降ってきた。雨宿りの絵馬堂で若侍に声をかけたのはこの街道を稼ぎ場とするお綾、今朝方からその若侍の腰の印籠に執念の眼を注いでいた。印籠は金無垢の筒胴に銀貼りの唐獅子があしらってあり、その目玉には珍しい紅玉がはめ込まれ、緒締めはすばらしい珊瑚の五分珠、いわくありげの上物であった。そんなお綾に声をかけたのは仲間で、綾にほの字の巳之吉であったが、この男も若侍を尾けていた…。一方、婚儀を前に、世情視察と称して旅に出た伊勢亀山六万石のやんちゃ姫、沙夜の護衛をするはめとなった田子の浦作を名乗る若侍の旅の行く末は…。-明治時代長編作。

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