青年・渋沢栄一の欧州体験

祥伝社新書

泉 三郎

2011年1月31日

祥伝社

946円(税込)

人文・思想・社会 / 新書

巨人・渋沢は、いかにして生まれたか 1867年1月、渋沢は、将軍・慶喜の弟、徳川昭武を公使とする遣欧使節団に随行を命じられ、欧州巡歴の旅に出発した。 かの地で彼は何を見聞きし、何を感じたのか。 それは、新生日本の建設に、どう生かされたのか。 欧州体験が、渋沢に与えた影響とは 渋沢の膨大な業績を可能とした「銀行」と「合本主義」、この2つのシステムを実体験し、 学んだのが若き日の欧州への旅であり、パリ滞在の日々であった。 70歳代の半ばのころ、渋沢はこう語っている。 「自分の一身上、一番効能のあった旅は、44年前の洋行と思います。 この時が銀行を起こすこととか、公債を発行するとか、ということに気がついた」 ■巨人・渋沢、誕生の秘密を探る <著者の言葉> 本書の主題は、青年・渋沢栄一がどのような背景を基にヨーロッパへの旅に出かけたか。 そして2年近くにわたるパリ滞在体験によって、日本近代化の巨人に成長していく基礎を いかにして培(つちか)ったかをたどることにある。 思えば、人の一生を樹木の生長に譬(たと)えれば、 その根や幹は30歳前後までに出来上がってしまうもののようである。 そしてその時期における旅や海外体験が、いかに重要かということである。 それは視野を大きく広げるとともに、自らを、そして自国の姿を 外から客観的に見る機会を与えてくれるからである。 この小著は、その意味で渋沢栄一の青年時代と海外体験に焦点を絞り、 巨人・渋沢誕生の秘密を探るものである。

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