双風神 羽州ぼろ鳶組

祥伝社文庫

今村翔吾

2019年7月12日

祥伝社

858円(税込)

小説・エッセイ / 文庫

京の淀藩常火消・野条弾馬は、己が目を疑った。大火の折に生まれ激甚な災禍をもたらす炎の旋風“緋鼬”が大坂の町を蹂躙していた。続発する緋鼬に、それを操る何者かの影を見た弾馬は、新庄藩火消頭取・松永源吾に協力を頼む。源吾は、天文学者でもある風読みの加持星十郎らを連れ大坂へ。しかし、ぼろ鳶組は、炎の怪物を眼前にすると大きな挫折を味わうことに…。長編時代小説、書下ろし。

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toruo

(無題)

-- 2022年05月12日

大人気の時代物シリーズの現在出ている最新作をまだ読んでいなかったので。 今回の舞台は大阪。江戸の大名家に所属する火消しの主人公は過去に請われて京都に出張ったことがある。本作ではそのときに知り合った京都の火消しから大阪で起こっている不可解な現象への協力を求められて…という話。大阪へは主人公とあと二名で向かったためいつもの魅力的な面々が出てこないのか、と思ったがそこはキャラクター作りに長けた作者、大阪の火消したちにも個性的で魅力的な面々を揃えてくれている。商人の町ということで武士にも平気で面と向かって悪態をつく大阪の人たちの姿は史実かどうかはわからないけれどももしかしたらこんな感じだったのかも、と思わせられる。火災現場では滅多に発生しない炎の竜巻が頻発するという事件とその背景も興味深くどうやって対処するのか、というとこにも興味が尽きない。本当に面白い作品でした。

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