
武者始め
祥伝社文庫 祥伝社文庫
宮本昌孝
2020年5月15日
祥伝社
814円(税込)
小説・エッセイ / 文庫
青木逸美氏(書評家)、拍手喝采!心が湧く、胸が高鳴る、奮い立つ!艱難辛苦を真っ直ぐに乗り越えていく姿に力をもらえる、清々しい七人の若武者に出会える連作集 一日に十六粒を食する梅干し好き。新九郎は義兄今川義忠討死直後の混乱の中、幼い嫡男龍王丸と実姉北川殿を亡き者にせんとする刺客の目を欺き、知謀を以て家督争いを無血裏に解決。のちに、北条早雲となる。(「烏梅新九郎」)ほか、織田信長・豊臣秀吉・徳川家康・真田幸村・武田信玄・上杉謙信、歴史に名を馳せる戦国七武将の“初陣”を鮮やかに描いた傑作短編集!
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戦国時代の英傑たちの武者始め
本作は、戦国時代でも名将とされた七人の武将を、生まれ年順に短編集として描く。 どの人物も決していわゆる楽で儀式的性質の強い初陣ではなく、自らの力で切り開いて行く必要のある初陣であった。 戦国時代の中でも有数の武将たちの初陣は、才能きらめくものばかりだ。 ・烏梅新九郎(北条早雲) 一滴の血も流さずに今川家の家督争いを沈めた北条早雲。この短編の最後に、この連作集における武者始めは何かが表現される。 「いくさに出なくとも、武士として初めて命を懸けたことなら、それをもって武者始めとすべきと存ずる。47」 印象的なシーンは多々あるが、上記以外に個人的にぐっときた本文を抜粋したい。 ・さかしら太郎(武田信玄) 「いかに生きるか。そのほうがはるかに難しいのだ。武士ならば、至難の道を往け。71」 ・いくさごっこ虎(上杉謙信) (初陣にもかかわらず)「我らは義を奉じて戦うのだ。138」 ・母恋い吉法師(織田信長) この章は、信長どうこうよりも、実母と乳母の戦いのほうがピリピリきて面白い。 「大将は、この織田三郎信長だ。往くぞ。192」 「こたびの御武者始めをもって、母恋い吉法師さまは忘却の彼方へ往かれました。この先は、三郎信長はわたくしの子。200」 ・やんごとなし日吉(豊臣秀吉) 「お屋形、いずれへまいられまするか。猿めは、どこへなりともお供仕まつりまする。254」 ・薬研次郎三郎(徳川家康) 「爺、わたしは、生きる。273」 ・ぶさいく弁丸(真田幸村) 「昌幸譲りの口八丁と秀吉譲りの大風呂敷に、景勝譲りの誠実さが加味されて、真田信繁の武者始めはあざやかに敵を騙しきったのである。348」 才ある若者が世を動かす。 後に世を震わせる男たちの前夜をきらびやかに描いた物語だ。
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