実証写楽は北斎である
西洋美術史の手法が解き明かした真実
田中英道
2000年8月31日
祥伝社
2,750円(税込)
ホビー・スポーツ・美術
写楽と北斎は画風が異なるという固定観念があった。たしかに写楽のそれは役者絵だけであるから、その表情の写実性からは、北斎の美人画のほっそりとした類型性や、北斎漫画的な諧謔的な表情と共通するところがないように見える。が、それは以後、北斎が役者絵というジャンルを扱わなかったからに過ぎない。表現ジャンルが違うのである。だが、写楽が、わずかながら武者絵や相撲絵を描いたことによって、北斎と通底するものが発見できるのである。また写楽の役者絵は、北斎の青年期、春朗を名乗った時代の役者絵の発展形態である、という結論に至らざるをえない。それは形象の類似性と同時に、線の質が共通するからである。写楽の『大谷鬼次』の顔と手と、北斎の『神奈川沖浪裏』の波は、その迫りくる激しい造形感覚では同じなのだ。そのことを読者に説得しようとするのが、この書の目的である。
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