かさなりあう人へ
白石一文
2023年10月12日
祥伝社
1,980円(税込)
小説・エッセイ
おなじ光をみていたーー 夕暮れを染める一瞬の不思議な輝きが、ふたりを結び付けて離さない。 成熟した男女が行き着くのは、後悔か、希望か。 至高の愛を描く恋愛小説。 直木賞受賞作『ほかならぬ人へ』から14年。 折り重なる出会いの神秘を問う白石恋愛文学の到達点。 「あなたのせいで万引きと間違えられてるの。あなたが三日も帰ってこないから」 込み入った事情は不分明だが、俺はことさら丁寧に男に頭を下げる。 「うちの妻が、どうやら誤解をさせるような行動を取ったようで……」 (本文より抜粋) スーパーの人気商品を盗んだ野々宮志乃は、万引きGメンから声をかけられる。咄嗟に志乃は、店の駐輪場にいた箱根勇に、「あなた」と夫のごとく呼びかけた。勇は反射的に夫婦を装い、志乃を助けて……。夫に先立たれた四十代販売員の志乃と、不倫が原因で離婚した五十代会社員の勇。親しげな言葉を交わすようになったふたりは、断ち切れぬ絆を感じる。傷を抱えた大人たちが辿り着いた場所とはーー。
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バッハ
🐶大事な人間関係は一つか二つで充分・・あとは一期一会で一括りに
📝白石一文の個性あるいは才能には驚かされる。 平凡な描写だと油断していると強烈な一撃に見舞われる。 そこがいいのだと思う。こういう小説を文学というのかなと感心させられるのだ。 それにしても老いてなお旺盛な関係描写は驚きだ。
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