
本所深川ふしぎ草紙
宮部みゆき
1991年4月1日
新人物往来社
1,494円(税込)
小説・エッセイ
日本推理サスペンス大賞受賞の著者が“本所七不思議”を題材に、江戸の下町に住む人々の人情と哀歓をミステリータッチで描く連作時代小説集。
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(無題)
本所の錦糸堀あたりを釣り人が通ると「置いてけ〜」と声が追いかけてくる。逃げ帰るといつの間にか魚籠の中が空っぽになっている。思いを残して死んだ者が岸涯(がんぎ)小僧という化け物に生まれ変わり、この堀に棲みつくという。それで置いてけ堀の名がついたという本所七不思議の一つ。以下の講釈は野暮天とは知りつつもひとくさり。江戸時代の流通は舟運が主であった。このため、自然の河川はもとより掘割が縦横に発達していた。どういうわけか、中には行き止まりの堀割もあった。これを、おいてけ掘と言ったのである。 宮部みゆきの時代小説として最初に刊行された本作は、本所七不思議をテーマに据えた連作短編集である。本所七不思議にまつわる市井の人々の営みにスポットを当てている。 全体的には哀しい作品集だ。すれ違いがあり、憎しみがあり、嫉妬がある。しかし、茂七親分が黒子に徹しつつ締めるところを締めて、決して救いのない結末にはなっていない。深川の風景に溶け込みながら存在をアピールするあたり、実に憎い演出だ。それが江戸の町に生きる普通の人たちの「生きる」ということなのであろう。長い人生のひとコマを切り取り、人生の不条理をも感じさせる仕組みではある。
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