五稜郭の兄弟
新人物文庫
高橋義夫(小説家)
2009年9月30日
新人物往来社
733円(税込)
小説・エッセイ / 文庫
江戸末期の天保年間、筑後久留米領内の庄屋高松家に生まれた九人の兄弟姉妹。二男勝次と三男権平は、ともに医者を志して国元を出奔。旗本の養子となって古屋佐久左衛門と名も改めた勝次を江戸に訪ねた権平こと高松凌雲は、医学の道に進んで一橋家の奥詰医師となる。幕府瓦解後、旧幕軍の脱走歩兵「衝鋒隊」を率いて奥羽を転戦後、箱館に走った兄と出会った凌雲は、箱館病院長として戦火の中で敵味方の区別なく傷病兵の治療にあたる…。五稜郭で、榎本軍とともに最後の戦いを挑んだ兄弟の数奇な軌跡を描いた長篇歴史小説。
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(無題)
衝鋒隊長として戊辰戦争を転戦する兄・古屋佐久左衛門と箱館病院長となって敵味方とわず医療を施す弟・高松凌雲の二人の運命を辿る小説。凌雲は戊辰戦争勃発前、のちの渋沢栄一などと共に万国博覧会開催中のフランス・パリにまで行ってしまう。 目の付けどころは良いが人物の描写が魅力的でない、文章が淡々としすぎていて、ときどき行軍録を読まされている気になる、など欠点が目立つ(個人的な感想です)。これまで焦点の当てられることのなかった人物を主人公に据えているだけにとても残念。
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