
葵の太平洋戦争(3)
書下ろし架空戦記
Joy novels simulation
青山智樹
2007年4月30日
実業之日本社
942円(税込)
小説・エッセイ / 新書
江戸城、中奥。大本陣は騒然としていた。ドイツ軍に対していかに援護を加えるか、ドイツ側の反応がいかような具合なのか、様々な情報が飛び交い、先頃、ミュンヘンから帰った家正の裁可を待っていた。連合軍がノルマンディーに上陸を開始した時、日本軍の先鋒はいまだイタリア、ミラノにあり、とてもではないが飛龍や、双風、靖国を送り込める距離にはなかった。靖国を送り込んで雷撃を加えたとしても、やはりここで数が問題となった。戦艦二隻、モニタ艦二隻を沈めるのはたやすいだろうが、その程度で殺到する数千の連合軍艦艇を排除できようはずもなかった。
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