
ダーウィン、仏教、神
近代日本の進化論と宗教
クリントン・ゴダール / 碧海 寿広
2020年12月22日
人文書院
4,950円(税込)
人文・思想・社会
日本人は進化論にどう向き合ったか。新たな思想史の誕生 明治の幕開けとともにもたらされたダーウィンの進化論。これまでの研究では、日本人は進化論を抵抗なく受け入れたとされてきた。しかしそれは全くの神話である。その受容の歴史には、仏教、神道、キリスト教、哲学、マルクス主義、国体論などあらゆる思想やイデオロギーとの衝突や交渉がみられた。本書は明治から現代まで幅広い言説を博捜し、近代日本の思想を進化論への反応を軸にダイナミックに描き出す。 「進化論は、日本に無批判的かつ無抵抗に受容されたのでは、決してない。進化論という光のもとで自然界を再考し、また自然・人類・社会・科学・聖なるもの・神のあいだの関係を再検討するための、知識の流用・翻訳・考察・討議が、日本では一世紀にわたり行われてきたのだ。進化論への宗教的な態度について議論する場合、受容と拒絶、どちらかの痕跡を探すような見方を超えたところに行くべきだ。」(本書より) 〇目次 第一章 明治期の日本における進化論の宗教的伝播 第二章 進化、個人、国体 第三章 ダーウィン以後の仏法ーー明治仏教と進化論の抱擁 第四章 ユートピアの約束ーー社会主義ダーウィニズムと革命的ユートピア主義 第五章 「進化論は近代の迷信です」 第六章 観音による久遠の抱擁 日本語版への序文 序論 日本における進化論と宗教を再考する 本書の概要 第一章 明治期の日本における進化論の宗教的伝播 モース以前の日本の進化論 反キリスト教としての進化論ーーエドワード・S・モースとアーネスト・フェノロサ 神とダーウィンの間、日本と西洋の間ーーキリスト教徒による進化論の伝播 第二章 進化、個人、国体 個をめぐる問題 国体イデオロギーの興隆 神道と進化 倫理と道徳 井上哲次郎 スペンサー主義の崩壊 結論 第三章 ダーウィン以後の仏法 ーー明治仏教と進化論の抱擁 仏教者による進化論の抱擁 唯物論ーー「コレラ病よりも害毒」 進歩と退化 輪廻転生 仏教者の進化倫理学 生物学のなかの仏教 南方熊楠の仏教的エコロジー 丘浅次郎ーー進化の無常と矛盾 結論 第四章 ユートピアの約束 ーー社会主義ダーウィニズムと革命的ユートピア主義 進化論の左旋回 社会主義ダーウィニズムに対する最初の宗教的バックラッシュ アナーキストのダーウィニズム 宗教的進化のユートピア主義 北一輝ーー「ブッダとマリアが恋する」時 宮沢賢治と石原莞爾 賀川豊彦と進化の宗教 結論 第五章 「進化論は近代の迷信です」 マルクス主義、生物学、無神論 進化論に対する宗教的バックラッシュ 神道と進化の和解 キリスト教からの応答 天皇の生物学的な概念化 進化論と戦時下日本のイデオロギー 「近代の超克」 結論 第六章 観音による久遠の抱擁 科学と民主主義 「地球も含めた全宇宙は、生命の実体です」 今西錦司 西田幾多郎の生物学の哲学 生き物の世界 今西の遺産 結論 謝辞 訳者あとがき 人名索引
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