ボランティアとファシズム

自発性と社会貢献の近現代史

池田 浩士

2019年5月29日

人文書院

4,950円(税込)

人文・思想・社会

それは自発か、強制か?   日本のボランティアは、東京帝大の学生たちによる関東大震災後の救護活動およびセツルメントの開設に端を発する。だが、ヒトラー・ドイツに学んだ日本国家は彼らの社会貢献を制度化し、「勤労奉仕」に組み換える形で戦時体制に取り込んでゆく。20世紀史を鏡に、私たちの自発性と強制性の境を揺さぶる渾身の書。 序章 いまなぜ「ボランティア」なのか? 1 日本の「ボランティア元年」--デモクラシーの底辺で 1 この私を待つ人たちがいる! 2 自発性と社会貢献の歴史を見つめなおすために 2 自発性から制度化へーー奪われたボランティア精神 1 発展する国家を巨大自然災害が襲った 2 震災救護活動のなかでーーある大学生たちの歩み 3 「東京帝大セツルメント」の創生 3 ヒトラー・ドイツと危機の克服ーー日本が学んだボランティア政策 1 ボランティア労働とナチズム 2 労働奉仕と自発性ーーそもそもボランティアとは何か? 3 自発性とファシズムーー労働奉仕が歩んだ道 4 ボランティア国家としての「第三帝国」--結束と排除の総活躍社会 1 国民だれもがボランティアとなる 2 「帝国労働奉仕」の日々--数字と証言 3 ボランティアの日々、ホロコーストへの道 5 「勤労奉仕」と戦時体制ーー日本を支えた自発性 1 大きな目標の達成に向けてーー労働が青少年を組織する 2 銃後のボランティアたちーー期待される女性と家庭 3 大陸の花嫁、特攻隊、愛路村ーー戦時下ボランティアの諸相 終章 迷路のなかのボランティア 1 世の中がボランティアを必要とする… 2 ボランティアの歴史と現実

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