人生の終いじたく

焼香はいい男順で。お墓参りは来なくて結構。中村メイコが、家族や親しい友人はもちろん、すでにこの世にはいない人や大好きな家具・着物・街にまで「最後の言葉」を綴る。人柄そのままに、あっけらかんとした調子がストレートに伝わる。「みんながちょっと息抜きに１杯やりにいった間にでも逝けたらうれしいな」とひょうひょう。一方で初恋の相手である吉行淳之介をめぐる愛憎や、親友だった美空ひばりの「息子」和也への思いなど胸に突き刺さるような一節も。