夢の臨床的ポテンシャル

心理療法にイメージがもたらす癒しと救い

老松 克博

2020年7月28日

誠信書房

2,750円(税込)

人文・思想・社会

心理援助職を目指す人のために、公認心理師の養成がはじまったが、そのカリキュラムにおいては、心の大半を占める非合理的な側面がますます置き去りにされている感がある。 治療に、エビデンスにもとづく合理的なアプローチを用いることはもちろん大切だが、それだけでは行き詰まってしまうクライエントが一定数存在することは否めない。セラピーが暗礁に乗り上げた際の選択肢として、「夢」を扱う治療法があることを、心の臨床家として知っておいてほしい。 ユング心理学における夢分析をはじめ、心理療法のなかでは、心身にまつわる問題への対処ツールとして、長年「夢」が用いられてきた。夢の生かし方を知ると、もっとうまくスムーズに、治療が進展するのである。 本書では、著者オリジナルの「夢うつつ法」を使って夢分析の行われたケースをとりあげ、短い期間で患者が変容を遂げるプロセスを紹介し、個々の夢をていねいに検討して詳細な解説を加えた。これは、わが国の伝統的な民俗のなかにある心性を参照しながら夢療法に取り組むものである。技法自体はいたって簡単なものだが、患者はスピーディかつ安全に、個性化のプロセスを歩むことができる。この技法についても、具体的に述べた。 私たちが毎晩見ている、この重要なメッセージを含む「夢」を、ぜひ臨床に活用していただきたい。

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