紛争地のポートレート 「国境なき医師団」看護師が出会った人々

白川 優子

2022年4月26日

集英社クリエイティブ

1,760円(税込)

人文・思想・社会

「国境なき医師団(MSF)」看護師として、2010年から18回も紛争地・災害地へ赴き医療活動をしてきた著者は、圧倒的な暴力に翻弄されながらも、人間にとって最も尊い何かを握りしめて生きる人々を見続けてきた。医療支援に携わる中で、ずっと語りたいと思ってきた「紛争地の人間愛」を筆頭に、「活動中の暮らし」「MSFの仲間たちの素顔」などのエピソードをいきいきと描く。 紛争地が危険で過酷で恐ろしいのは事実である。著者自身、勤務先の施設への空爆や、反政府組織による襲撃を経験した。しかしそこに生きる人がいる以上、現実にあるのは「怖い話」だけではない。国際貢献したい人が本当に知りたいこと。紛争なんて異世界のことだと思っている人に知ってほしいこと。紛争地医療のリアルが鮮やかに見えてくる一冊。 ウェブ連載に、2021年のアフガニスタン派遣談を加えて刊行。 [目次より] ◆I 忘れられない面影 「世界で一番新しい国」の母子/元少年兵と車いす/世界一大きな監獄の少女 ほか ◆II 心の声に導かれ、MSFの看護師に メルボルンで見た「国境なき世界」/初めての紛争地で出会った"戦友"/看護の力の真価を知る ◆III 紛争が破壊するもの ジャーナリズムが報じない"戦後"/兵士の治療と国際人道法/なぜ医療施設が攻撃されるのか? ◆IV 医療の前線を支える仲間たち MSFの"柱"、ロジスティシャンに感謝を/ジャガイモと一杯の紅茶/顔も知らないあなたの力〜寄付と信頼 ほか ◆V 派遣地での暮らし "寝床"快適度ランキング/紛争地の「猫会議」/料理の時間〜国境なき「スーパーシェフ」たち! ほか ◆VI 再びの旅立ち 現場を離れ、採用担当に/迷いと葛藤を乗り越え、混乱のアフガニスタンへ [著者紹介] 白川優子(しらかわ・ゆうこ) 1973年、埼玉県出身。小学1年生で「国境なき医師団(MSF)」に憧れる。高校卒業後、坂戸鶴ヶ島医師会立看護専門学校を卒業して看護師となる。日本で外科・産婦人科を中心に看護師として計7年間勤務。2003年にオーストラリアに渡り、2006年にオーストラリアン・カソリック大学看護学部を卒業。その後、現地の病院で手術室などを中心に4年にわたり勤務。2010年、37歳で念願を叶えMSFに参加。手術室看護師として、シリア、イラク、イエメン、南スーダン、パレスチナ(ガザ地区)、ネパール、アフガニスタンなど、紛争地や被災地を中心に活動。2018年以降はMSF日本事務局に採用担当として勤める。2021年9月時点で10カ国、18回の派遣経験を持つ。著書に『紛争地の看護師』(2018年、小学館)がある。

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