個性化における「私」と「身体」

アニメ映画『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』と『イノセンス』の分析を通じて

ユング派分析家資格取得論文シリーズ 第2巻

齋藤 眞

2021年11月17日

創元社

4,400円(税込)

人文・思想・社会 / エンタメ・ゲーム

私とは何か、私がいる現実とは何か……。映画監督・押井守がその作品を通して投げかけてくる問いを心理臨床実践に重ね合わせたとき、どのような地平が開けるのか。心理臨床の根本的な出発点となる「私」、そして「私」がこの世に身を置くための基盤となる「身体」を切り口として、押井の発言や作品を手がかりに、心理臨床の意味を問い直す。“ゴースト”のささやきにいかに耳を傾けることができるか、異色の心理臨床論。 【目次】 シリーズ刊行に寄せて はじめに 第1章 目的と問題の焦点化  1.目的  2.基本的観点 第2章 映画監督・押井守ーー素材へいたるまでの背景  1.押井守  2.テレビアニメ制作の現場  3.映画へのこだわり  4.アニメ映画監督  5.アニメ監督としての挫折  6.アニメ映画監督としての再生  7.日本の平和や戦争についての押井の思い 第3章 アニメ映画『攻殻機動隊』(前半)  1.時代設定を示す最初の場面  2.登場人物の特徴を示す場面  3.主題の先取り  4.アニメ映画世界の説明と“攻性”  5.見えなくなる体とあやつられる記憶 第4章 アニメ映画『攻殻機動隊』(前半)の考察  1.街の情景  2.レイアウトを通じて演出される情景 第5章 アニメ映画『攻殻機動隊』(後半)  1.主人公の心情深化と映画主題を提示する場面(遠景との関わり)  2.主人公の心情深化(中景との関わり)  3.義体の中の“ゴースト”?  4.“人形使い”との対面  5.廃墟と化した博物館での戦闘  6.“人形使い”との融合 第6章 アニメ映画『攻殻機動隊』(後半)の考察  1.影との直面化  2.押井の中の女性像とその影  3.押井の中の少女像 第7章 アニメ映画『イノセンス』  1.『攻殻機動隊』から『イノセンス』(2004年)への情況  2.『イノセンス』のストーリー展開 第8章 アニメ映画『イノセンス』の考察  1.アニメのキャラクターの体を主題化することでアニメーション映画を問うこと  2.内容主題的に体を問うこと  3.問われている「体」  4.人形と犬  5.想いを残すということ  6.この世にいるということ 第9章 総合考察  1.押井を通じてクローズアップされる日本人ならではの課題  2.映画を通じて象徴される個性化の過程・分析心理学的過程  3.心理臨床への視点 おわりに 索引 謝辞

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