
死の講義
死んだらどうなるか、自分で決めなさい
橋爪 大三郎
2020年10月1日
ダイヤモンド社
1,870円(税込)
人文・思想・社会
本書は、死んだらどうなるかの話。といってもスピリチュアルな本ではなく、「死」とは何かについて、知の達人橋爪大三郎氏が、宗教社会学の視点から鮮やかに、説明する本。 =========== 生き物はそもそも、すべて死ぬのです。しかし、生き物は、死ぬそのときまで、死ぬと思っていません(たぶん)。人間は違います。うんと小さい子は別として、ちょっと知恵がつくと、みんな死ぬらしい、自分も死ぬだろう、と思うようになります。 では、死んだらどうなるとわかっているのでしょうか。(中略)そう、複雑な社会には宗教というものができるのです。いくつも宗教がある。それは、死んだらどうなるか、の考え方がいくつもあるということです。 これまで人類に大きな影響を与えた宗教は、キリスト教、イスラム教、ヒンドゥー教、儒教、仏教、の五つです。それぞれ、人間は死んだらどうなるか、についてしっかりした考え方をもっています。 そこでこの本では、これらの宗教が、人間は死んだらどうなると考えているのか、詳しく追いかけることにします。(本書の「はじめに」より) =========== 死んだらどうなるのか、死んでみるまでわからない。だから、死んだらどうなるのかは、自分が自由に決めていい。宗教の数だけ、人びとの考え方の数だけ、死んだらどうなるのか、の答えがある。そのどれにも大事な生き方が詰まっており、人生の知恵がこめられている。 コロナ禍で「死」をこれまで以上に身近に感じている多くの人々に読んでほしい一冊。 はじめに 1章 死ぬということ ●「このわたし」が存在しなくなる ●存在する/存在しない ●存在は経験できる・・・ 2章 一神教は、死をどう考えるか ●天地の「創造」 ●人間は、一人ひとり神が造った ●一神教のまとめ・・・ 3章 インド文明は、死をどう考えるか ●仏は人なのか ●小乗仏教の死 ●仏教の死は多様・・・ 4章 中国文明は、死をどう考えるか ●儒教は宗教か ●なぜ政治なのか ●道教の自然と死・・・ 5章 日本人は、死をどう考えるか ●縄文時代の死 ●仏教の渡来 ●仏教と葬儀・・・ 6章 死んだらどうなるか、自分で考える ●神のわざ/人のわざ ●宗教を、2行にまとめる ●最後に言いたいこと・・・ あとがき
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toruo
(無題)
いつもはだいたい図書館で借りて読んでみて再読したいものを買うのだけれどこれは帯とネットでたまに記事を読んで面白いと思っている人のものだからいきなり買ってみた。いろんな宗教が死をどのように説明しているか、ということを中学生にも分かるように書いた本だというから。内容は大雑把に一神教(ユダヤ教、キリスト教、イスラム教)、インド哲学系(ヒンドゥー、仏教)、中国系(儒教、道教)、日本オリジナル(日本の仏教、神道)となっていてそれぞれの宗教の基本的な考え方とそれに基づいて死をどのように説明しているか、ということを解説している。作者に言いたいことは...確かに書きかた、表現こそ分かりやすいけれども内容はやっぱり難しいよ、ということでこれをさらっと理解できる中学生とかほんとにいるのかなと...いるんだよね、でも。優秀な人っているから。しかし本書のテーマはやはり重要で、死んだらどうなるか自分で決める、だいたい本書にはそのバリエーションが網羅されているのでそこから選べばよい、そして「自分でどのように死ぬか決めてそのように生きると結果として自分が思ったように死ねる」と説く。現代は科学万能主義で比較表を作るが如くの相対主義が幅を利かせているが、万物、特に死のようなことは科学や合理主義では割り切れない、そして人類の英知の結晶である宗教的な思索を抜きにはやはり納得が得られない、そういうことだろうな、と。簡単に人が死んだ昔と違って今は医学の進歩もあって死が身近になくそれ故にあまり考えが及ばなくなっているのでは、という危機意識から書かれた作品。とても興味深く考えさせられました。おすすめです。
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