ハゲタカ(上)

真山仁

2004年12月31日

ダイヤモンド社

1,760円(税込)

小説・エッセイ

バブル崩壊から15年余り。「失われた10年」を経てもなお、日本を覆う混沌の闇が晴れる気配はない。ただ一つ、誰もが知っているのは、このままでは日本は確実に死に絶えていくということだけ。そして、グローバルスタンダードの名の下、外国資本が雪崩を打って日本に来襲。日本の命運を大きく左右するまでに至っている。ある人は、彼らを“救世主”と歓迎し、ある人は、彼らを“悪魔”と怖れる。彼らの名は、「ハゲタカ」。傾き始めた企業に死の臭いをかぎつけ、彼らの債権や株を安く買い漁ると、一気に買収へと乗り出す神出鬼没の集団。銀行では、再生不可能な企業を僅か5年足らずで蘇らせ、何処へともなく飛び去っていく。彼らにとって大切なことは、ただ一つ。「安く買って、高く売る」こと。彼らが飛び立った後には、時に屍の山が残り、時に見まごうばかりの光り輝く企業が出現する。果たして「ハゲタカ」とは、何者なのか。情け容赦なく利益を吸い取るただの略奪者なのか。それとも、日本に奇跡の復活を遂げさせてくれる白馬の騎士なのかー。

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