
芭蕉最後の一句
生命の流れに還る
筑摩選書
魚住孝至
2011年9月30日
筑摩書房
1,870円(税込)
人文・思想・社会
旅に病んで夢は枯野をかけめぐるー松尾芭蕉、最後の句として知られる死の四日前深夜の「病中吟」である。日々旅にして旅を栖とした俳聖の、最期のイメージに相応しい。けれども実はその翌朝、弟子二人を枕頭に呼び「清滝や波に散り込む青松葉」を遺している。「改作」というのだが、これこそが辞世の句である。「不易流行」「軽み」そして最後の一句へと、境涯深まる芭蕉最晩年の五年半に焦点を当て、その実像に迫る。
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