安楽死が合法の国で起こっていること

ちくま新書 1759

児玉 真美

2023年11月9日

筑摩書房

1,034円(税込)

美容・暮らし・健康・料理 / 新書

終末期医療の辛さ、介護疲れへの同情の声がある一方、医療費削減を公言してはばからない政治家やインフルエンサー。安楽死が合法化された国の驚くべき実態とは。 揺らぐ基準、拡大する対象者 「安楽死先進国」の実状とは ・末期とはいえない患者に安楽死を提案する医療職 ・福祉サービスが受けられず安楽死を選択する障害者 ・安楽死の数分後に臓器を摘出 日本にも、終末期の人や重度障害者への思いやりとして安楽死を合法化しようという声がある一方、医療費削減という目的を公言してはばからない政治家やインフルエンサーがいる。「死の自己決定権」が認められるとどうなるのか。「安楽死先進国」の実状をみれば、シミュレートできる。各国で安楽死者は増加の一途、拡大していく対象者像、合法化後に緩和される手続き要件、安楽死を「日常化」していく医療現場、安楽死を「偽装」する医師、「無益」として一方的に中止される生命維持……などに加え、世界的なコロナ禍で医師と家族が抱えた葛藤や日本の実状を紹介する。 === 序 章 「安楽死」について 第一部 安楽死が合法化された国で起こっていること 第一章 安楽死「先進国」の実状/第二章 気がかりな「すべり坂」--線引きは動く 第二部 「無益な治療」論により起こっていること 第三章 「無益な治療」論/第四章 コロナ禍で拡散した「無益な患者」論 第三部 苦しみ揺らぐ人と家族に医療が寄り添うということ 第五章 重い障害のある人の親の体験から医療職との「溝」を考える/第六章 安楽死の議論における家族を考える/終 章 「大きな絵」を見据えつつ「小さな物語」を分かち合う

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