人が人を罰するということ

自由と責任の哲学入門

ちくま新書 1768

山口 尚

2023年12月7日

筑摩書房

1,012円(税込)

人文・思想・社会 / 新書

人間は自由意志をもつ主体であり、過ちを犯した者が咎められ罰されることは、古くから共同体における基本的なルールと考えられてきた。一方、自由の存在を否定し「刑罰は無意味だ」とする神経科学や社会心理学の立場がある。はたして人間は自由な選択主体か。私たちが互いを責め、罰することに意味はあるのか。抑止、応報、追放、供犠といった刑罰の歴史的意味を解きほぐし、自由否定論、責任虚構論の盲点を突く。論争を超えて、“人間として生きること”を根底から問う哲学的探究。

本棚に登録&レビュー

みんなの評価(1

starstarstarstar
star
4.3

読みたい

4

未読

2

読書中

1

既読

5

未指定

1

書店員レビュー(0)
書店員レビュー一覧

みんなのレビュー (1)

メソテースセレクター

自由意志の哲学の入門に最適

starstarstarstar
star
4.3 2024年01月22日

自由意志と責任・罰についてゆっくりと論じる本。様々な論者の主張を引用し、それを批評して進めていくので、この分野の哲学に興味が湧いた。第一部は刑罰について、その歴史を説明し、最終的に刑罰の意味の多元主義に落ち着く。第二部と第三部では、第一部とは打って変わって、自由意志が存在するのか、その回答によって責任と罰をどう捉えるかを論じる。第二部で、自由意志が無ければ責任も無く、ゆえに罰は無意味であるとし、第三部で自由意志の存在を論じる。結論としては、主体・行為・自由・選択は人間のフレームワークに属しており、そもそもその意味や存在を論じることはできないというピーター・ストローソンの主張を引いて同調する。人間である以上自由であり、責めたり罰したりすることが自然であるという主張。 各章の冒頭に目次と論の進み方を説明し、進んではまとめ、進んではまとめを繰り返し、締めでまたまとめる構成である。そのため、内容が非常に難しい訳ではないが、それでも哲学を題材にしており、地道な論理で進められる本を簡単に読むことができる。

全部を表示
Google Play で手に入れよう
Google Play で手に入れよう
キーワードは1文字以上で検索してください