√2の不思議
ちくま学芸文庫
足立恒雄
2007年2月28日
筑摩書房
990円(税込)
科学・技術 / 文庫
見えてはいるけれどないもの。ないようであるもの。納得しがたいがそう考えざるをえない…。見慣れた直角三角形の斜辺の長さが問題だった!誰もその正確な長さをあらわす数を知らなかった。そしてさらに不可思議に、それを一辺とする正方形の面積は、またきれいな整数であらわせた。万物は数であるとした古代ギリシアのピュタゴラス教団にとって、この事実は深刻な教義の破綻だった。その深淵に彼らは慄いた。深淵はどのように克服されたのか。もっとも原初的な抽象的思考から始まったとされる数学が出会った、いくつもの「不思議」をていねいに切り開き、人間存在の「不思議」へまで至る。
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