こちらあみ子
ちくま文庫
今村 夏子
2014年6月10日
筑摩書房
704円(税込)
小説・エッセイ / 文庫
あみ子は、少し風変わりな女の子。優しい父、一緒に登下校をしてくれ兄、書道教室の先生でお腹には赤ちゃんがいる母、憧れの同級生のり君。純粋なあみ子の行動が、周囲の人々を否応なしに変えていく過程を少女の無垢な視線で鮮やかに描き、独自の世界を示した、第26回太宰治賞、第24回三島由紀夫賞受賞の異才のデビュー作。書き下ろし短編「チズさん」を収録。
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「こちらあみ子」「ピクニック」「チズさん」の3編。 うろ覚えだけど、はな恋で、麦と絹が人を貶すときに「きっとその人は今村夏子さんのピクニックの面白さがわからないんだよ」みたいなこと言うシーンが何回かあって、それがすごくいいなと思ってたので読んでみた。 「こちらあみ子」は、やりきれないなと思った。(名言はされていないけど)障害のある女の子、あみ子が大きくなるまでを描く短編。父親が再婚し、母親が流産し、母親が引きこもり、兄が不良になり、好きな男の子・ノリくんには殴られる(歯が3本なくなる)。並べてみると辛いことしかないけど、あみ子の視点から描かれてるから本人はよくわかってないし幸せそうなのが、辛い。「弟の墓」ってノリくんに札に書いてもらって庭にたてて、プレゼント!って無邪気に母親に言いにいってしまうシーン、ウッとなった。あみ子に「お兄ちゃんが書けっていった」と言われて書いてしまうノリくんの幼さも、(実際はお兄ちゃんはお母さんにプレゼントをあげろと言っただけ)、善意100%で母親に報告しにいってしまうあみ子も、それをみて号泣し鬱になってしまう母親も、苦しい。穂村弘さんの解説には、あみ子からノリくんへの純粋な愛が羨ましいみたいなこと書いてあったけど共感できないなぁ… 「ピクニック」は、むらさきのスカートの女を彷彿とさせる感じ。34歳?くらいの女性、七瀬さんが、女の子がビキニ着てローラースケートはいて給仕する「ローラーガーデン」で働き始める。一貫して、もともとローラーガーデンで働いていた「ルミたち」の視点で描かれる。七瀬さんはだいぶ変わっていて、虚言癖があり、芸人の「春げんき」と付き合っていると話す。 ルミたちは馬鹿にするでもなく話を合わせてあげる。最後ルミたちが我にかえって七瀬さんを馬鹿にしたりいじめたりしたらどうしようってずっと不安に思いながら読んでたけど、そんなこともなく平和だった(最後は七瀬さん店を辞めて引きこもってたけど)。むらさき〜もそうだけど、否応なく面白いんだけど、それは「続きどうなんの?!」っていう引き込まれ方であって、正直文学的価値はよくわからない。どこが評価されているのか気になる。 「チズさん」も高齢の女性・チズさんの家に入り込む他人の女(?)の話で不思議な感じだった。
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