
新版 プラトン 理想国の現在
ちくま学芸文庫 ノー7-3
納富 信留
2023年12月11日
筑摩書房
1,540円(税込)
人文・思想・社会 / 文庫
近代日本に「理想」という言葉を生み、未来をひらく力を与えたプラトン哲学。主著『ポリテイア』の核心を捉え、哲学の可能性を示す。解説 熊野純彦 === 「理想」という語は、明治の時代、プラトンの「イデア」の訳語として造られ、定着した。そしてプラトンの最高傑作『ポリテイア』(『国家』)が『理想国』の標題で出版され、近代国家建設をめざす多くの日本人の希望の拠りどころとなる。だが、新たな理想社会を創らんとするその熱情は、やがて全体主義に利用される運命を辿ったーー。かくも激しく人々の魂を突き動かしたプラトンの理想主義哲学とは、果たしていかなるものか。『ポリテイア』の核心を読み解くことで、哲学という営みが切りひらく最良の地平を描き出す。初学者への案内として「プラトン『ポリテイア』を読むために」を付した決定版。 === 哲学とは何であったか? プラトン主著の核心を読み解き、「理想」とは何かを問う。 === 序 「理想」を追う哲学ーーあるいは、現代のドン・キホーテ 第1部 現在の鏡としての『ポリテイア』 第一章 『ポリテイア』の正義論 一 プラトン正義論の特異性 二 現代正義論の限界 三 人間本性(フュシス)への問い 第二章 理想国論批判の再考 一 ポパーによる問題提起 二 受容史からの考察 三 理想国論の位置づけ 第三章 「哲人王ホメイニー」 第2部 『ポリテイア』を読んだ日本の過去 第四章 新しい日本語のプラトン 一 大西祝の挑戦 二 プラトンの翻訳登場 三 哲学的対話の文体を求めて 第五章 明治から大正へのプラトン 一 近代日本の問題としての『ポリテイア』 二 明治期の導入 三 戦前の翻訳 四 大正期の一般的関心 第六章 戦前から戦後へのプラトン 一 『ポリテイア』の「政治化」 二 戦後の関心 第七章 「理想国」への挑戦と挫折 一 「理想」という哲学用語 二 ユートピア思想のなかで 三 近代日本の「理想」 四 宗教の理念、良心の根源 第3部 私たちが語る未来の「ポリテイア」 第八章 「ポリテイア」とは何か? 一 著作標題再考 二 「ポリテイア」の意味 三 「内なるポリテイア」 四 魂とポリスの類比 第九章 「天上に掲げられたポリス」 一 伝統的位置づけの問題性 二 問題テクストの検討 第十章 「理想」を書く/読むこと 一 「理想」という哲学概念 二 ユートピアの想像力と笑い 三 理想を書く言葉 付録 プラトン『ポリテイア』を読むために あとがき 新版 あとがき 初出ノート 註 参考文献 解説 いまだ到来しない世界へ(熊野純彦) 人名索引
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