さいごの色街飛田
井上理津子
2011年10月31日
筑摩書房
2,200円(税込)
人文・思想・社会
遊廓の名残りをとどめる、大阪・飛田。社会のあらゆる矛盾をのみ込む貪欲で多面的なこの街に、人はなぜ引き寄せられるのか!取材拒否の街に挑んだ12年、衝撃のノンフィクション。
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toruo
(無題)
確かに日本ではもはやここだけ、と思われる特殊な街を描いた作品。特段風俗好きというわけでも無いのだが性風俗ものには何か心惹かれるので手にとってみた。本業は旅行が専門の女性ライターがたまたま宴会で訪れた飛田に興味を持ち12年かけて取材したものらしい。昔からの色街で古い形態のまま商売してるのは確かにもう飛田くらいなのかも知れない。作者のスタンスがこの特殊な街のことを世間に知らしめたいというだけで変に悲惨さを強調したりせず事実を淡々と述べているところが良い。アポなしでヤクザの組事務所にまで取材をかける根性にも驚かされた。読んでて気持ちのいい話では無いが変な偏りがないので読めたのだと思う。興味深い街だし面白いと思ったがおそらく一生行くことはないだろう。本だけでじゅうぶん。
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