
ナリワイをつくる
人生を盗まれない働き方
伊藤 洋志
2012年7月31日
東京書籍
1,430円(税込)
人文・思想・社会
仕事も、ほしい物も、自分でつくるのは面白い。 「ビジネス」でも「ワーク」でもなく、「趣味」でもない。DIY・複業・お裾分けを駆使した「ナリワイ」をつくり、現代社会を痛快に生きる方法論。 個人レベルではじめられて、自分の時間と健康をマネーと交換するのでなく、やればやるほど頭と体が鍛えられ、技が身に付く仕事をナリワイ(生業)と定義。具体的なナリワイのタネを生活の中から見つけ、1つ1つを自分の小規模な自営業として機能させ、それらを組み合わせていくことで、「働くこと」と「自分の生活」を近づけることを目指す著者の、人生を使ってつくった渾身の「たたき台」。 ポストグローバリゼーション時代の滋味溢れる働き方がここに。 非バトルタイプのためのゆるやかな作戦!
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(無題)
題材としては染谷氏編著「里山資本主義」と非常に似ている。しかし戦略が似て非なるものである。詳しくは→http://www.honzuki.jp/book/214558/review/120391/ 【里山主義とナリワイの定義比較】 「里山資本主義」は田舎暮らしの事例とその背景(ニューノーマル消費というトレンド)までを明らかにした本である。そして田舎暮らしをサブシステムと捉え、資本主義に全てを依存しない生活スタイルを提唱している。個人的な感想で言えば、いわゆる「ゆっくり田舎暮らし」領域内、リタイア世代団塊向けの本である。 一方で本書はかつての日本社会における複業構造を明らかにし、現在の就業構造がこの半世紀で急激に変化した事を明らかにしている。つまり、専業・固定給・雇用・拡大という就業構造が「一時的」である可能性を示唆している。 「里山資本主義」とは対照的に都市生活をサブシステムとして捉え、必要あらば市場経済に切り込んでいくスタイルである。 私はこのスタイルは可能であると考える。なぜならば「里山資本主義」で明らかになったように日本的経済成長の歪みがニューノーマル消費市場を形成しており、その市場に切り込んでいる筆者は実際にそこで生活を営んでいるからである。 私は「田舎には仕事が無い。だから仕事を創造する必要がある。」と考えていた。しかしながらその仕事概念は完全に資本主義・都市生活における専業・固定給・雇用・拡大という枠組み内での発想だった。筆者は歴史的事実からその概念自体が一時的である事を教えてくれた。 【要約】 ここからが本題。筆者の田舎で生きる戦略とはどういうものなのか。 本のタイトルでも有る「生業(ナリワイ)」は田舎戦略における筆者最大の主張である。 生業を創ることが田舎で生きるには必要なことであり、生業という仕事が出来るまでの形成過程を自らの実験台になって明らかにしている。 順を追って解説してみる。 ①固定費の削減 →まずは自身の生活を振り返ってみる。 固定費の削減は利益増大と同様に大切な視点である。そもそも論に立って、その固定費は本当にその値段分の価値が有るのかを考える。実際に資本主義社会は消費のプレッシャーが強く、企業のマーケティング活動によって買う必要がないのに買ってしまっている場合がある。その最大の要因は「日々の生活が忙しい」からであるが、そのロジックにハマった人は生活自給力が低下し、ますます消費社会の餌食(支出の増大)となる。 ②無駄な固定費を面白いと思う案で代替する →固定費の削減は何も「我慢する」と言うことを意味しているのはない。削減かつ充実すると思う代替案を考えるのである。簡単な例で言うと、結婚式の司会を業者ではなく司会者が出来そうな知人に頼んでみる。(コストカットの上、業者よりもより親密な結婚式ができる)といった具合である。 なんだ、そんなのはわかってるよ。と思うかもしれないが、自分の支出を振り返ると意外とこのレベルのものがあったりする。 ③未来を見る、日常生活に違和感を見つける →こうした一連の作業の中で未来を見てみる(トレンドを予測する)。自身が感じる日頃の違和感を抽出し、今後のトレンドを仮説してみる。仕事創出につなげるためのトレンド予測は現代社会の激しさから生まれた歪み要因と自身の得意分野を洗い出すことで設定できる。 ④生業にチャレンジしてみる 筆者は生業とは「生きる上での業」と定義している。つまり身の丈にあった範囲で業を始めてみるということである。1回100円の利益でも良い、無償スタートの仕事でも良い、そこから始めることで人脈が拡がり、面白い発展を促す。例えば書評。忙しい人々の読みたい本と自らの趣味である書評作業を組み合わせることで、未充足ニーズを満たすだけでなく人脈が発展することもある。 「ナリワイをつくる」ちは、個々人が自力で自分の小さい仕事を作ることだ。その過程では、自分の身の回りの人達の力を借りることになる。(本文より抜粋) 【全体を通しての見解】 多くの現代人が心のどこかで抱いているもの。それはマネーと引き換えに時間と健康を消費し、体をすり減らしてまで得たマネーは生きる為に使われるということ。マネーが悪いと言っているのではない。マネーを得るために発生したストレスのためにマネーを使うことが問題なのである。(あえて紛らわしい言い回しにした) 人々は技術革新によって大いに豊かになった。世界中の人とつながるようになった。でも立ち止まって考えてみると実は豊かでないものも紛れ込んでいる。それは何なのかを各々が考える余裕をつくるために一連の「生業」アクションは必要だと思う。まずは在庫リスクがなく、自分の範囲内のナリワイから始めてみようと思う。その連続が筆者のような経済的仕掛けの基盤となると思うから。 思考停止にさせる依存消費社会・変化に弱い専業化or生活の充実から生まれる自律ナリワイ社会・多様性のある複業化 自分は後者を選んでみようと思う。
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